看護師は、患者の体温や血圧を測定したり患部の処置をしたりするなど、様々な業務を行います。医療従事者にしか認められていない注射や点滴といった医療行為もこなします。もっとも、看護師の役割は、あくまでも医師の補助であり、原則として自分の判断で医療行為を施すことはできません。医師から具体的指示がないと、医療行為に携われないのです。したがって、医師の負担が大きく、医療行為の分担に支障をきたすと指摘されていました。そこで、医師の包括的指示さえあれば看護師が医療行為を行える特定行為研修という資格が設けられました。
これにより医師の負担はある程度軽減され、さらに診療についても医師から看護師にある程度権限を移譲する制度ができたのです。診療看護師という資格を取得したら、医師の特定行為手順書や直接的指示があれば看護師が診療に関われるようになりました。診療看護師は、医師が不在でも特定行為や診療ができるようになったのです。診療看護師は、特定行為以外の侵襲性が高い相対的医行為も行えます。相対的医行為は、腹腔穿刺や気管内挿管など体内に医療器具を入れる医療行為のほか、ERと呼ばれる救急救命室での救急対応やオペ看と呼ばれる手術助手などの業務を指します。
診療看護師は、訪問看護や看護専門外来など、医師がいない現場で活躍できるでしょう。また、患者が多く医師の手が回らない医療機関などでも、医師の代わりに診療を行い、医師をサポートできます。